コートカードは物語性よりも純粋な抽象を表すカードなので、人物の姿勢や向き、人物と象徴の位置関係なども重要な意味を示すことがあります。
過去と未来、受動性と能動性、内向性と外向性、慎重か積極的か、ネガティブかポジティブかといった性質が、カードの上下左右を読み解くことで見えてきます。
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ペイジの向き・位置・姿勢の解釈
特にマルセイユ版などの伝統的なペイジは、両足が別の方向を向いて描かれていることが多く、ペイジはまだ未熟であるがゆえに未来に向かっていくかどうか悩んでいる状態だと見ることが出来ます。
また現代的なペイジにも共通して見られるのは、左右どちらともつかない姿勢です。
ハッキリとどちらかを向いていることは稀で、大抵はくねった姿勢や顔の向きと身体の向きが合っていない、右を向いているが姿勢は下向き、上向きで右向きだけど後ろに足を残しているなどの、やはり迷いが見られる姿勢となっています。ペイジのリーディングにおいては、向きが象徴する意味自体よりもその姿勢が表す迷いや未熟さ、楽観的な幼稚さや夢みがちなところなど、感覚で受け取った方がイメージが湧きやすいでしょう。
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ナイトの向き・姿勢・位置の解釈
ナイトは基本的に積極的で活動的な姿勢で描かれていますが、ほとんどのカードで明らかに右側または左側に向かって前進していく姿が描かれます。
ナイトの場合は、どのカードも能動的で変化していくことを表しているので、左側は立ち向かっていく、右側は自ら切り開いていくと捉えることも出来ます。マルセイユ版の古いカードでは、ナイトは自らが象徴するエレメントではないエレメントを象徴するものを手に持っていて、コインのナイトはコインを背景に、棒を手に持ち前に進みます。次の小スートへと変化して受け渡していく役割を担うとも考えられていました。
世界のカードの4大エレメントの配置と同じようにナイトを配置すると、それぞれのナイトの向かう先が次のエレメントであることがわかります。このようにナイトをスートとスートの間の変化する役割として捉えることも出来ますし、ナイトならではの左右の意味を考えてみても良いですし、プリンスとプリンセスの名前がついたカードなどではペイジとセットの人物として合わせて理解することも出来ます。
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クイーンの向き・姿勢・位置の解釈
クイーンは、すべてのスートで受容性を表しながらも、とても力のあるカードです。
ゆったりとした姿勢を取ってリラックスした状態で描かれることが多く、コートカードの中でも一貫性のある姿勢が特徴的なデッキが多いでしょう。
手足と身体の向きに違和感がなく、迷いなくゆるぎない姿勢は、すべてを受け容れて育てていくクイーンを表していると言えます。クイーンはほとんどのデッキで正面を向いて、やや上下左右を向く程度に描かれていることが多いです。スートによって違いが見られるのは、エレメントや装飾、手の位置です。
コインのクイーンの手はリラックスして柔らかくコインを包み込むようにして描かれることが多いです。コインの象徴するもの=生活や物資を大切に手元に置き、温かく快適な環境を守っているように見えます。
ワンドのクイーンは、ワンドをしっかり能動性である右手に持ちながら、受動性である左手も何かを持っているなど、ワンドを持つ右手と対になるような形で描かれます。受動性から受け取り、能動性へと繋げていくバランスを保つ人物であり、ワンドの情熱やエネルギーを上手く流していく役割が伺えます。
ソードのクイーンは右手でしっかりとソードを掲げながら、左腕も持ち上げて上向きに描かれることが多いようです。ソードが象徴するものやそれ以外のものも、すべて昇華し高みへと導いていくための受容性の性質のように思えます。
カップのクイーンはカップを大切に、持っているとか掲げているというよりは、大切に受け入れ慈しむような姿勢で描かれます。今を見つめなおしているような視線で描かれることも多く、カップの象徴する情緒の世界と向き合う姿勢を教えてくれます。 -
キングの向き・姿勢・位置の解釈
キングは明らかに最も威厳があり高貴で、装飾が厳かなカードとして描かれることが多いでしょう。
その表情は無表情または多少険しい表情をしていることが多く、言葉を語らずともキングの力を知らしめる迫力があります。
キングの姿勢は大抵は大きく足を開いてリラックスし、最も身体が大きく強く見える体制を取っていることが多いです。
ただ、よく見てみるとキングの体制はただ自らを大きく見せるものではなく、広い範囲での支配と成熟を表すことが読み取れます。
両手両足がまったく違う方向に向けて開かれていたり、身体はリラックスしながらも顔は別の方向に耳を傾けているようであったり、逆に洗練された背筋の通った左右対称な姿勢で描かれたりと、なんらかの形でのキングの器の大きさと高尚さを表しているのです。人によっては威厳と誇示に反感を買う人もいるかもしれませんね。逆に、キングのゆったりとした様子から自信をもらえることもあるでしょう。
そのときのリーディングで、キングのどんな性質が見えてくるのか、感じることが大切です。
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