タロットカードの向き・姿勢・位置の意味

大アルカナを例に解説 タロットカードの向き・姿勢・位置の意味
この記事は約2分で読めます。

タロットカードでは、基本的に左側の過去から右側の未来へと時間が流れます。
一時を描いた物語ではなく、象徴的に人物の足元や近くは現在の身近なところ、背景は過去や未来の遠い時までを描いているのです。
位置関係は、カードの右側・左側・上部・下部と固定的に捉えるわけではなく、一枚の絵として感覚的に捉えてみましょう。
人物が右に向かっていれば未来に向かって、左に向かっていれば過去を振り返っていると捉えられることもあります。

また、人物の姿勢は上向きであれば外向的でポジティブ、下向きであれば内省的でネガティブな人物像を表します。
そして、当然ながら手足を開いたゆったりした姿勢であればリラックスして自信があることを、姿勢正しく硬い様子であれば緊張や厳格さ、くねくねとハッキリしない姿勢は迷いや幼さを表すなど、単なる人物の態度をカードの性質として捉えることもできます。
基本的に右手は与えるもの、左手は受け取るものを示し、掌の様子でも受容性や能動性を読み取ることができるでしょう。
人物の視線が真っすぐ向けば自分自身や相手と向き合うことを、下向きは見つめなおすことや教えること、上向きは夢想することや知ろうとすることを表します。
象徴的に感覚的に捉えるために、人物の左から右へと過去から未来に向かい、受け取って活動していく流れを知っておき、それを元に最終的にはフィーリングで人間観察をするように捉えていきましょう。

  • 0 愚者 The Foolの向き・姿勢・位置の意味

    ゼロ番の愚者のカードでは、左上の遠い過去から太陽に祝福され、愚者は右上の遠い未来に向かっています。これからの長いサイクルの始まりは明るく、前向きなもので始まるのです。
    愚者が両手を下げて上に向かって棒や花を手にしているのは周囲の自然豊かな世界に対しての受動的な態度を表していて、思考や感情は受動的に世界のすべてを受け入れていると捉えられます。でも姿勢は上を向き右に向かっているので、未来に向けた能動的で前向きな行動と、ポジティブな性格を表していると言えるでしょう。

  • Ⅰ 魔術師 The Magicianの向き・姿勢・位置の解釈

    魔術師はまっすぐ前を見据えていて、その意識は現在に集中していることがわかります。自己を確立しようとする段階である1のカードにふさわしい姿勢です。
    左手は自然な姿勢で過去からエネルギーを受け取り、高く掲げられた右手で持つ棒は、未来に向かって情熱や能力を発揮しようとしています。
    ただ、このカードでは単にタロットカードの典型的な上と下の概念だけで見るのではなく、絵から受け取れるイメージも大切にするべきです。片腕を天国へと上げる行動は遥か天上から神聖なエネルギーを受け取ることであり、それを身体を通して地上へと伝えることでエネルギーを世界の中に出現させることを象徴しています。

  • Ⅱ 女教皇 The High Priestessの向き・姿勢・位置の解釈

    女教皇は正面向きまたはわずかに左向きで描かれることが多く、手に持った本や巻物は自分の側に向けて、内にこもった姿勢が見られます。姿勢正しく真っすぐ前を向く姿は、真面目さや誠実に向き合おうとする姿勢を表し、逆に動きが見られない脚には行動力のなさ、柔らかい姿勢には活力のなさが表れていると言えるでしょう。過去と未来の両方から流れはなく今は動かない人物であり、自分自身と向き合うことから受け取り、自分のなかに落とし込んでいるのです。また、このカードでは背景との位置関係も重要です。背景にある2本の柱とヴェールの前で、女教皇はその境界線を守るような形でこちらを見つめます。なんのヴェールの前に立っているのか?何を象徴した柱を守っているのか?想像力を働かせてみましょう。

  • Ⅲ 女帝 The Empressの向き・姿勢・位置の解釈

    左向きの椅子にゆったりと座り、上半身は上を向いて右腕を掲げる女帝の姿は、受け取り育てる受容性と、それを未来へとポジティブな力を与えていく能動性の源である女神の象徴です。あくまでも彼女は受け入れる側の女性ですが、上半身が右に向かっていることで、この先の行動力や積極性を感じさせます。カードの前面に大きく描かれていることからも、大きな影響力を持つ人物であるということ、現状を大きく後押ししていることがわかります。また、背景も足元もすべて花々や果物で鮮やかに輝き、力強い木々や新芽が上に向かって真っすぐ伸びていることから、すべての時は明るく未来に向かっているときだということがわかります。

  • キングの向き・姿勢・位置の解釈

    キングは明らかに最も威厳があり高貴で、装飾が厳かなカードとして描かれることが多いでしょう。

    その表情は無表情または多少険しい表情をしていることが多く、言葉を語らずともキングの力を知らしめる迫力があります。
    キングの姿勢は大抵は大きく足を開いてリラックスし、最も身体が大きく強く見える体制を取っていることが多いです。
    ただ、よく見てみるとキングの体制はただ自らを大きく見せるものではなく、広い範囲での支配と成熟を表すことが読み取れます。
    両手両足がまったく違う方向に向けて開かれていたり、身体はリラックスしながらも顔は別の方向に耳を傾けているようであったり、逆に洗練された背筋の通った左右対称な姿勢で描かれたりと、なんらかの形でのキングの器の大きさと高尚さを表しているのです。

    人によっては威厳と誇示に反感を買う人もいるかもしれませんね。逆に、キングのゆったりとした様子から自信をもらえることもあるでしょう。
    そのときのリーディングで、キングのどんな性質が見えてくるのか、感じることが大切です。

  • クイーンの向き・姿勢・位置の解釈

    タロット コートカード クイーン

    クイーンは、すべてのスートで受容性を表しながらも、とても力のあるカードです。
    ゆったりとした姿勢を取ってリラックスした状態で描かれることが多く、コートカードの中でも一貫性のある姿勢が特徴的なデッキが多いでしょう。
    手足と身体の向きに違和感がなく、迷いなくゆるぎない姿勢は、すべてを受け容れて育てていくクイーンを表していると言えます。

    クイーンはほとんどのデッキで正面を向いて、やや上下左右を向く程度に描かれていることが多いです。スートによって違いが見られるのは、エレメントや装飾、手の位置です。
    コインのクイーンの手はリラックスして柔らかくコインを包み込むようにして描かれることが多いです。コインの象徴するもの=生活や物資を大切に手元に置き、温かく快適な環境を守っているように見えます。
    ワンドのクイーンは、ワンドをしっかり能動性である右手に持ちながら、受動性である左手も何かを持っているなど、ワンドを持つ右手と対になるような形で描かれます。受動性から受け取り、能動性へと繋げていくバランスを保つ人物であり、ワンドの情熱やエネルギーを上手く流していく役割が伺えます。
    ソードのクイーンは右手でしっかりとソードを掲げながら、左腕も持ち上げて上向きに描かれることが多いようです。ソードが象徴するものやそれ以外のものも、すべて昇華し高みへと導いていくための受容性の性質のように思えます。
    カップのクイーンはカップを大切に、持っているとか掲げているというよりは、大切に受け入れ慈しむような姿勢で描かれます。今を見つめなおしているような視線で描かれることも多く、カップの象徴する情緒の世界と向き合う姿勢を教えてくれます。

  • ナイトの向き・姿勢・位置の解釈

    タロット コートカード ナイト

    ナイトは基本的に積極的で活動的な姿勢で描かれていますが、ほとんどのカードで明らかに右側または左側に向かって前進していく姿が描かれます。
    ナイトの場合は、どのカードも能動的で変化していくことを表しているので、左側は立ち向かっていく、右側は自ら切り開いていくと捉えることも出来ます。

    マルセイユ版の古いカードでは、ナイトは自らが象徴するエレメントではないエレメントを象徴するものを手に持っていて、コインのナイトはコインを背景に、棒を手に持ち前に進みます。次の小スートへと変化して受け渡していく役割を担うとも考えられていました。
    世界のカードの4大エレメントの配置と同じようにナイトを配置すると、それぞれのナイトの向かう先が次のエレメントであることがわかります。

    このようにナイトをスートとスートの間の変化する役割として捉えることも出来ますし、ナイトならではの左右の意味を考えてみても良いですし、プリンスとプリンセスの名前がついたカードなどではペイジとセットの人物として合わせて理解することも出来ます。

  • ペイジの向き・位置・姿勢の解釈

    タロットカード コートカード ペイジ

    特にマルセイユ版などの伝統的なペイジは、両足が別の方向を向いて描かれていることが多く、ペイジはまだ未熟であるがゆえに未来に向かっていくかどうか悩んでいる状態だと見ることが出来ます。

    また現代的なペイジにも共通して見られるのは、左右どちらともつかない姿勢です。
    ハッキリとどちらかを向いていることは稀で、大抵はくねった姿勢や顔の向きと身体の向きが合っていない、右を向いているが姿勢は下向き、上向きで右向きだけど後ろに足を残しているなどの、やはり迷いが見られる姿勢となっています。

    ペイジのリーディングにおいては、向きが象徴する意味自体よりもその姿勢が表す迷いや未熟さ、楽観的な幼稚さや夢みがちなところなど、感覚で受け取った方がイメージが湧きやすいでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました