1の数字は、言うまでもなく、スタートの数字です。
「千里の道も一歩から」と言いますが、無限の可能性が生まれるには1が不可欠であり、1はあらゆるポテンシャルを生む数字です。
そして、1は無から有へと変わることの象徴です。
0から1の変化は何もなかったところにすべての可能性が現れる大きな変化であり、1から他の数字が足されていくこととはまったく性質の違う変化となります。
在るか無いかを数字一つで決定的にする存在なのです。
スタート・新たな始まり・無限の可能性・ポテンシャル・存在・有・是・可
1の存在は、他のすべての数字と関係を持った数の概念そのものでもあります。そのため、コインの1ならコインのすべてと、大アルカナのⅠである魔術師はすべての大アルカナとの関連性と共に現れます。
1人の代表者が集団を背負って表に出るように、1は重要な数字として表れます。
統合・団結・統一・リーダーシップ
そして1は、唯一神、神聖なワンネス、世界全体の大いなる存在を象徴するスピリチュアル的な概念でもあります。
錬金術では、「全は一、一は全」という言葉で表される概念です。
この世のすべてのものごとは、元は一体であり神聖な全体の存在としての一部であるという思想は、あらゆる宗教や文化で見られます。
同時に、1は個々を象徴するものであり、「I am ~(私は~である)」というアイデンティティ、自己同一性の象徴です。
そして、この世界すべてを超えたところにある神聖と繋がることの象徴ともなったのです。
唯一・ワンネス・個人・己・アイデンティティ・同一性・As above so below(上あるように下もまた然り)
1の性質が人間性に例えられると、自分自身を中心として物事を捉えるような自己中心性、唯一の大切な存在として「1か、それ以外か」を区別して捉えるような自己の特別視、自らの意志をもってすべての物事をまとめていこうとする強い意志となるでしょう。
1の持つ強い意志は、一個人としての自己が存在しなければ世界も存在しない。自分自身の意志が世界を変えていくという、ポジティブな意味での自主性と自己中心性を象徴します。
意志・自己主張・自主性・自己中心性・特別感・オンリーワン