タロットカードには様々な種類がありますが、現代においても白黒のカードはほとんどなく、かなり古い時代からカラーで描かれてきました。むしろ、人物や背景などにさまざまな装飾が加えられる前から、色や模様といった単純なところで深い意味が表されていたのです。
色というのは不思議なもので、さまざまな地域や宗教において、まったく異なった文化を持ちながらも色の印象や象徴する意味、使われ方は大体共通しています。
この記事では、タロットカードの一般的な解釈における色の意味から、錬金術的象徴、チャクラとの関係性、マンダラでの色の意味など、さまざまな視点で色の象徴を解説していきます。
決まった意味を覚えるのではなく、タロットリーディングにおける直観的な感じ方を大切にすることも、色の持つ不思議な力を活かすためには重要でしょう。
例えば、青い色を見たときに冷たい印象がするのか?温かく優しい海を想起するか?は人それぞれや、そのときの精神状態によっても変わります。
頭の中でイメージとしての色を感じることも、タロットの役割においてとても大切なことです。
タロットカードを活用するとき、色は重要なメッセージを伝えてくれます。そのメッセージを直観的に、精神の深いところまで働きかけたものにするためにも、世界中のさまざまなところで言葉に出来ないものを伝えるために使われてきた色を活用しましょう。
-
紫色の意味
タロットカードにおける紫色は、受動的な色である青と、能動的な色である赤を混ぜ合わせた色であることから、相乗効果による超自然的な力を表します。
また、叡智と知恵の象徴であり、葬儀とも関わる色であることから、霊的な、魂的な、スピリチュアルな知恵の象徴です。
オーラでも、紫色のオーラは霊感がある人が発すると言われます。キーワード
直感、 精神的な能力 、スピリチュアル、知性、ジャッジメンタルなマインド、忍耐、信頼、信仰
紫色とチャクラとの関係
第7のチャクラは頭上にあると言われ、クラウンチャクラ、第三の眼のチャクラなどと呼ばれる、スピリチュアル的能力や超自我と関係するチャクラです。
自己を超越したワンネスとの繋がり、宇宙の愛を感じるエネルギーで、第7チャクラの力は霊能力や神秘的な力の象徴となっています。マンダラ(曼荼羅)における紫の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、紫は人間の人格や個人を超えた部分の高貴さや優美、叡智を象徴します。その反面、犠牲や禁欲などの宗教的な厳しさの象徴でもあります。
日本では仏教の象徴的な色でもありますが、葬儀や死のイメージとも繋がります。 -
黒の意味
死者に対する敬意を表する色である黒は、タロットカードにおいても深く複雑な意味を持ちます。単に暗闇で先が見えない状況や不吉なことを表すだけでなく、無の先にあるものを想像させる人間の意識を超えた部分を象徴します。
黒のキーワード
保護、防御、接地、暗闇、無、不測、病気、否
黒色とチャクラとの関係
黒は足の裏にあるとされている第0のチャクラ(アースチャクラ)、または第1のチャクラ(ルートチャクラ)と関連づけられ、地球から生命エネルギーを受け取り、自己をしっかりと確立する基盤になるエネルギーだとされています。さらに、邪気や負のエネルギーを足裏から地面に放出するデトックス的な意味もあり、エネルギーの入口と出口の両方の象徴です。
マンダラ(曼荼羅)における黒の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、黒は創造性のマグマ、コア(核)の働きを象徴し、逆にカオスや滅び、死の衝動などの不吉なエネルギーの象徴でもあります。
無・死・闇・腐敗・不吉・記憶……などなど、認識しづらい深い不可知の象徴であり、人間の理解を超えた神秘を象徴していると言えるでしょう。 -
赤色の意味
全身に流れる血の色である赤は、エネルギーや情熱の活動性を象徴し、炎のように燃え広がる激しい力を表します。
錬金術的象徴では、赤は男性性のシンボルであり、活力と能動性を表します。(白は女性性のシンボルです。)
さらに、赤色で止まる信号機や、赤文字で書かれた注意書きのように、本能的に人間に危険や注意を喚起する色であり、重要性を強調する色にもなっているでしょう。赤のキーワード
接地、安全、セキュリティ、情熱、怒り、生命の誕生、愛、今現在
赤色とチャクラとの関係
赤は、座禅を組んだ人の一番下で地面に接する部分にあるとされる第1チャクラ、ルートチャクラ(ルートとは根っこの意味)の象徴です。生命力や本能を司っていて、危機に瀕したときの動物的なエネルギーや、食べる・寝るなどの欲求と深い関わりがあります。今ここに集中するための能力でもあり、永遠や時間の経過ではなく、そのときに燃える炎のようなイメージです。
マンダラ(曼荼羅)における赤の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、赤は生命の力であり、動物的・野性的な領域を象徴します。血液の色でもあり、肉体との関係も深い赤は、生命力や活動性を表しますが、その反面、野性的な怒りや暴力性も表します。
-
白の意味
タロットカードにおける白は、太陽を反射する月のように反映するエネルギー、天使の羽や神の使いの白馬や白鳥の白で、神聖な使いの象徴です。
色そのもののイメージとして、純粋で穢れのないことや、生まれたばかりの命、無限の可能性を持つキャンバスのような未来の象徴でもあります。純粋に自然な力を反映して輝く存在であると受け取れる半面、経験不足で知恵が足りない未熟な様子も表します。白のキーワード
純潔、純粋さ、無邪気、忠実、神との繋がり、ハイヤーセルフ、新しさ、誕生
白色とチャクラとの関係
紫と同様に第7チャクラと関係があり、頭上にあると言われるクラウンチャクラ、神聖な力や超自我と関係するチャクラです。
自己を超越したワンネスとの繋がりを映すエネルギーで、肉体の生死を超えた世界における自己のエネルギーを象徴します。マンダラ(曼荼羅)における赤の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、白は精神の輝きを表し、純粋な精神や、恍惚状態、死を超越することを象徴します。その反面、火が燃え盛った後の灰の色や、冬に自然を多い隠す雪の静けさも象徴し、死をもたらす冷たさも表します。
-
青色・藍色・紺色・濃青の意味
タロットカードにおける青は、空や海や水面などを表す自然な青として使われることも多いですが、象徴的に水は精神世界を表すとされていて、同様に青も精神世界を表すことがあります。
明るく鮮やかな青は自己表現が出来る明るく公明正大な精神を表し、深く暗い青は洞察力や精神の落ち着き、深い自己洞察を表します。
また、薄い青は聖母マリアの衣装の色として多く描かれていることからも、聖母のように純粋で穢れのない女性性と、神聖な力に対する受容性、純粋な愛の母性を表します。青・藍色・紺色・濃青のキーワード
コミュニケーション、平和、自己表現、信頼、悲しみ、判断と批判
明るい青とチャクラとの関係
明るい青、一般的に青と言われる色は、第5チャクラ(スロートチャクラ)と呼ばれる喉の辺りにあるチャクラと関係しています。コミュニケーションや自己表現に関わるエネルギーで、社会生活や人間関係と深い関わりがあります。
濃い青・藍色・紺色とチャクラの関係
濃い青は目と目の間、眉間の辺りにあるとされる第4チャクラの象徴で、サードアイチャクラ(第三の眼のチャクラ)とも呼ばれるチャクラ、直観や第六感を司るエネルギーの象徴です。心を落ち着かせて物事を冷静に見極める能力の象徴で、判断力や集中力と深い関係があります。
マンダラ(曼荼羅)における青の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、明るい青は天の世界に対する受容性、深い青は地の世界に対する受容性を表します。生命の理、自然の世界全体に対する受容性を象徴しますが、反面、圧力に対する屈服や抵抗しなくなる無気力さも象徴します。
-
緑色とピンク色の意味
タロットカードにおける緑は、自然の豊かな生命や豊穣、育み輝かせるエネルギーを表します。そのエネルギーを受け取って能動的に未来に向かって伸びていく力を象徴しています。
0番目の愚者のカードは緑色の服を着た姿で描かれることが多いです。すべてがこれから成長していく縁起の良い色ですが、自らバランスを取り調和を保った精神で進むべきことも表していると言えるでしょう。緑色とピンク色のキーワード
癒し、愛、思いやり、赦し、調和、バランス、嫉妬
緑色・ピンク色とチャクラとの関係
緑色は心臓の辺りにある第4チャクラ(ハートチャクラ)を象徴します。その名の通り、愛情や人に対する思いやりのエネルギーで、慈しみや赦しの心の領域でもあります。
ピンク色も同様にハートチャクラの象徴で、調和が保たれないと別の色になる色の性質が象徴にも表れていると言えるでしょう。
マンダラ(曼荼羅)における緑色の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、緑は能動的な自然の力を表し、明るい緑は天の力と結びついた、育ち伸びていく生命、植物の領域を表します。濃い緑は地の力と結びついた自然の力を表し、地へと根を下ろし生命を育んでいく力を象徴します。
その反面、吸収し貪ること、周囲に対する依存なども表すことがあります。 -
黄色・オレンジ・褐色・肌色の意味
タロットカードには様々な色が使われますが、黄色やオレンジ系は太陽や星の輝くイメージの通り、チャンスや希望、自然の力に後押しされていることを表します。
肌色は人間の肉体と物質としての人間の身体を表し、茶色は土の色ですから、人間を支える生活の基盤や環境を表します。
これらの色は自然の中に常に当たり前に存在している色であることから、感じるままに、直観的に受け取ると良いでしょう。黄色とオレンジ色のキーワード
喜び、楽観主義、チャンス、熱意、アイデア、創造性
黄色とチャクラとの関係
黄色は胃腸の辺りにあると言われる第3チャクラ、太陽神経叢チャクラ(ソーラープレクサスチャクラ)の象徴です。みぞおちのチャクラとも呼ばれる胃腸や消化器系の働きを整えて全身へのエネルギーを整える神経網の中心となる部分です。自律神経働きをコントロールしている部分で、その精密な働きは、第二の脳とも呼ばれることから、黄色は知性の象徴ともなっています。
オレンジ色と茶色のチャクラとの関係
オレンジ色は、下腹部の生殖器の辺りにある第2チャクラ、仙骨チャクラ(セクラルチャクラ)の象徴で、創造性や自立心、自信を持って自分の人生を確立していく力を表します。当然、男女の関わりや情熱とも関わりがあり、感情と性の象徴でもあります。
茶色、褐色も同様に第2チャクラの象徴で、自らを支える安定性や育み育てるエネルギーの象徴です。
マンダラ(曼荼羅)における緑色の意味
密教の象徴絵である曼荼羅では、肌色は人間性や生命、肉体的快感の象徴で、俗世的な人間の象徴であると言えるでしょう。
コメント